ふつうということは基本的に素晴らしいです。
例えば、室内の壁仕上の定番であるプラスターボードにビニールクロスという仕上げ。いろいろこだわりを主張するチャンネルでは悪く言われることも多いですが、圧倒的に安価に施工できますし、普及率が高いので補修用品だって100円ショップで買えます。将来、ビニールクロスを塗り壁や板張りに変えることは容易ですが、その逆はすごく大変です。維持管理も楽だし、貼り替えも安価にできます。
例えば、断熱材のグラスウール。昔からあるので、解体現場から出てくる古い質の悪いグラスウールが黒くかびているところを見て敬遠する意見も多いと思いますが、断熱材として長い歴史と幅広い普及率を持っている素材なだけに、やはり無難に素晴らしいです。
まず、比較的に安価です。安価ということは、同じ性能なら安く施工できるし、同じ価格なら高性能にできるということです。定番素材なので、建設省告示にも掲載され、仕上げ材メーカーが各種認定を取る際の断熱材としてもほとんどの場合グラスウールが含まれていますので、他の断熱材のように個別の認定を取得してなくて使用できないということが起こりにくく、自由に内外装材を選ぶことができます。
そのほかにも、ふつうという要素はたくさんあります。対面式キッチン、ユニットバス、べた基礎、在来工法、窯業系サイディング、ペアガラス、などなど。
どれも、普及しているが故の割安な価格で手に入り、普及しているがゆえにミスや事故も起こりにくく、普及しているが故に困ったときでも安価で直しやすく、ふつうのものというのは、かくもふつうに素晴らしいのです。
ふつうの家は誰からも支持されない
では、ふつうに作った家は素晴らしいのでしょうか?そうは問屋が卸しません。
住宅の各要素で、例えば7割もの人に支持される絶対的に良い方法というのはほぼ存在しません。誰にとっても最高の屋根材はありませんし、だれにとっても使いやすいキッチンは存在しません。多くの人に対面キッチンは支持されますが、3割以上の方は、それでは少し困ると考えているのです。
それでも、仮に7割の人に支持される定番のふつうのものが存在するとします。7割というと、住宅業界ではほとんどみんなが使うと表現してもよい圧倒的なふつうのものと考えていいでしょう。
ふつうの屋根、ふつうの外壁、ふつうの構法、ふつうの基礎、ふつうの断熱材、ふつうのサッシ、ふつうのキッチン、ふつうのお風呂、ふつうの室内壁天井、ふつうの床材でできたふつうの家があったとします。
このふつうの家を支持する人はどのくらいいると思いますか?
この10項目すべてふつうがよいひとは、2.8%しかいらっしゃいません。
実際には、それぞれの支持率はもっともっと低いですし、家を構成する要素ももっともっと多いので、すべてをふつうの家にしたいという方は、限りなく0に近くなります。
すべてがふつうの家が良い人は、ほぼいない
ここにも、注文住宅でなくてはならない大きな理由があります。
何も、注文住宅だからと言って変わった家を建てる必要はありません。
あなたにとって、ふつうの家を建てればよいのです。
それには、あなたにとってのふつうを組み合わせることのできる注文住宅が最高です。
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