収納計画は「動線」より「直感」


よく「家事動線をよく考えて計画する。」ということを言います。

確かに、いたずらに長い家事動線は考え物です。

しかし、家事を楽にしたければ、もっと大切なことがあります。

「考えなくてもできる。」です。

突き詰めた家事動線で、その通りに動くととても合理的だったとしても、人間が考えながらそれに合わせて動くのでは、脳みそを疲弊してしまいます。

個人の住宅では、端から端まで歩いてもせいぜい十数秒程度なのですから、それを数秒縮めることよりも、直感的に自然に動ける方がより大切です。


例えば...。

例えば文房具: 家のあちこちで使うからと複数の文房具置き場を設けて、はさみはここでよく使う、ノリはこっちで使う、ホッチキスはここに置いておこう。などと分散させるよりも、家の中に1か所文房具置き場を設けて、そこに行けば文具はすべてある。という風にしたほうが上手にしまえる人は多いです。

例えば収納場所の1等地: 収納場所には、普段使いに便利な1等地から、少し不便な2等地、普段使いには適さない3等地まで、立地条件が異なります。

何も考えないでふと置いてしまう場所。それが1等地です。

日常的に意識しないで使う収納場所として、1等地とそれ以外の役割分担をします。

せっかく使いやすい1等地だからと、いろいろ置けるように深めの収納棚を設けたりすると、日常使いの収納物は、意外に大型のものがないことに気づきます。もし、一等地に奥行きの深い収納を設けると、手前と奥(あるいはその中間)で、2重3重に物を置くことになります。1等地といえども、本当に使いやすいのは手前の1列だけ。2列目、3列目は、2等地くらいの使いやすさになっちゃいます。

本来1等地にあるべき使用頻度の高いものが、2列目3列目に置かれてしまうと、使いにくいことこの上ありません。また、探すのにも手間を取ります。

1等地の収納はできるだけものが1列にしか並ばないように作り、使用頻度の高い1等地にしまうにふさわしいものだけを置くようにすることは、多くの人にとって気持ちのいい収納になります。

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