建物自体の省エネ性能を表す指標として一番基本的なものに、UA値というものがあります。
ここでは、その定義は無視していただいて結構ですが、この数値は小さいほど性能が良いということだけ覚えておいてください。
日本の断熱性能についての基準らしいものは、昭和55年基準と呼ばれるものが最初だったように思います。41年前の基準です。
それから主だった基準の変化は下記のような感じです。(平成11年基準までは、UA値が基準ではなかったため、およその換算値です。建物によって誤差が大きく出る場合があります。)
注意点は、これらはすべて努力目標の基準であり、達成率は近年までそれほど高くないということです。
- ~41年前 昭和55年基準達成レベル 推定UA値1.4程度
- 41年前~29年前 平成4年基準達成レベル 推定UA値1.05程度
- 29年前~22年前 平成11年基準達成レベル 推定UA値0.9程度
- 22年前~8年前 平成25年基準達成レベル UA値0.87以下
- 8年前~5年前 平成28年基準達成レベル UA値0.87以下
これを見て、何か思うところはありますでしょうか?
そうです、29年ほど前からずっと、UA値換算で0.9を下回る程度を目指し続けているのです。
さて、現在の省エネ界隈では、UA値0.87では物足りないので、次の段階の基準競争をしています。
- 次世代省エネ基準 UA値0.87以下
- ゼロエネ基準 UA値0.6以下
- HEAT20 G1 UA値0.56以下
- HEAT20 G2 UA値0.46以下
- HEAT20 G3 UA値0.26以下
こちらに断熱材やサッシなどの費用差額のイメージを重ねてみましょう。
次世代省エネ基準を100とした場合のおよそのコスト差です。
A.昭和55年基準 UA値1.4以上 90
B.次世代省エネ基準 UA値0.87以下 100
C.ゼロエネ基準 UA値0.60以下 120
D.HEAT20G2基準 UA値0.46以下 220
程度のコスト差イメージとなります。
A→B UA値0.53以上下げるのに要するコストを10とする
B→C UA値0.27下げるのに20
C→D UA値0.14下げるのに100
くらいのコストがかかります。
数値競争というのは意外に楽しく、私も好きなジャンルですが、どこまでお客様に押し付けてもよいかは悩むところです。(^^;
現在のところ、萩森建設が「これ以上の性能でやります。」と、お客様に押し付けているのは、Bを達成するコスト内で、精いっぱい工夫して頑張り、Cに近い数値を達成するというレベルです。
もっと、このくらいのレベルを押し付けてほしいよ。というお客様がいらっしゃいましたら、是非一緒に達成させてもらいたいです。(^^)/
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