家づくりのスケジュール考


ハウスメーカーに相談に行って、そのスピード感にびっくりする方は多いでしょう。
引いてしまう方もいらっしゃれば、頼もしく感じる方もいらっしゃるでしょう。

建築家に相談に行って、そのスピード感にびっくりする方は多いでしょう。
引いてしまう方もいらっしゃれば、頼もしく感じる方もいらっしゃるでしょう。


3か月、6か月、12か月といった期間について、業態によって常識感は全く違います。

ハウスメーカーでの3か月は、何から何まですべて決定するのに十分な期間ですが、建築家との3か月では、ほとんど何一つ決定レベルにたどり着かない期間でありましょう。

それは、もちろん担当者が手を抜いたり、さぼったりするからというわけではありません。選択できる内容の種類や、どこまで詳細を自由に決めることができるかという、検討の深さの差によるものです。

どちらが良いというものではありませんが、どちらが合うかということは、施主一人ひとりによって明確にあります。


家づくり(注文住宅に限る)には、大きく三つの段階があります。

それらは明確に区切りがあるわけではなく、並行的にすべてを検討しながらも、決断のタイミングが順番に訪れる。という感じです。

家づくり(注文住宅に限る)は、現に存在するものの売買ではなく、これからつくっていくというプロジェクトを遂行する行為です。

1.プロジェクトパートナ(業者)を確定する段階
2.プロジェクト内容(建物、予算など)を確定する段階
3.プロジェクト遂行(工事、資金調達など)を管理する段階

そのいずれも、パートナー業者との共同作業です。


施主側の考え方に合わない業者では、大きなミスマッチが起こります。

施主によっては、業者決定と建物決定はほぼイコールだと考える方もいらっしゃるでしょう。そんな方には(建売などを除いて、注文住宅だという前提では)、ハウスメーカーに分類される業態が一般的に適しています。

1の業者選びと2の建物の内容決めを概ね同時に判断することになりますので、1の業者選びに多くの時間をかける理由があります。


一方、建物の内容をじっくり考えることがより重要だと考える施主もいらっしゃるでしょう。そういう方は、2の建物の検討により重点を置き、そのパートナー選びとして1の業者を判断して決定する傾向にあります。建築家を決定する際には、基本提案などを受ける場合であっても、その提案を受け入れるというより、そういう提案をしてくれる相手なら、パートナーとしてより理想に近づけるだろうという期待を判断して、業者決定をするわけです。

業者決定をしてから、建物の具体的な検討をしていくわけですから、その期間は数か月、場合によっては年単位に及ぶこともあります。
もちろん、それは、決定や承認をする役割の施主側にも余裕があるということになります。


スピード感が合わない業態をパートナーにしたりすると、うまくいかないことが起こります。


各段階におけるスピード感を、なんとなく意識してみると、それだけで自分たちに相性の良い業者を判断する手助けの一つになります。

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