20年後の世界 メタバース時代の家づくりを考える


iphone3によって、本格的なスマホ時代が始まって、およそ15年。

それまでバラバラに存在していた情報コンテンツが、スマホの中にどんどん集約されていきました。本も音楽も映像もすべてスマホの中です。買い物したり、コミュニケーションをとったりもスマホの中です。
家づくりに関しても、建て始めるまでの情報収集や打合せといった領域は、どんどんスマホに取り込まれています。

しかし、実際の建物や暮らし方の提案には、これまでは、あまり影響を与えませんでした。


もうすぐ始まるメタバース時代、果たして家づくりは変わるでしょうか?

メタバースは、情報だけでなく、体験のある程度の部分を取り込んでいくことになるでしょう。味覚やにおいについては無理でも、視覚や聴覚と、触覚の一部は、本物から受けられる体験と同様の体験に近づいてくるはずです。スマホと映画館は共存できましたが、メタバースは映画館の視聴体験を体験事取り込む可能性があります。ネットショッピングと友達とのリアルな店舗での買い物体験は共存できましたが、メタバースでは友達との楽しい買い物体験をそっくり取り込む可能性があります。

野球の観戦者になることはもちろん、世界中のランニングスポットを走ったり、スポーツフィッシングを友人と楽しんだり、美術館に恋人と訪れたりもできます。

そうして、メタバースとリアルの境が体験的に薄れてくると、避暑地の別荘や、都会のタワーマンションの最上階のリビングにいる体験によって、わくわくやくつろぎといった感情や感覚も得られるようになるかもしれません。

これらが、ギミックではなく多くの人にとって常識として浸透していくのに、技術的にも人間の感覚的にも、10-15年はかかると予想します。

でも、スマホの普及よりは、おそらく早く進みます。

スマホで得られることは、それ以前には存在していないことも多く、人々が常識として認知するには相応の時間がかかりましたが、メタバースでの体験の多くは、スマホでの常識が3次元空間に展開するだけのものとなるであろうと思うからです。

しかし、メタバースが、いよいよ情報だけでなく体験の一部をも取り込むものだとすれば、リアルな世界にはスマホ以上のインパクトを与えると思います。


世界中の「体験」が、そこに近づいてきます。


もとより、人が暮らすために絶対に必要なスペースというのは、実はそれほど大きくありません。

寝るためには、1帖少々あればよいですし、座って作業するにも2帖もあれば十分です。

それほど広くないアパートで家族3~4人が暮らしても、一番大きな不満は隣近所との音や振動の問題で、広さについての不満はそれほど大きくなかったりします。

広い家は素敵ですが、それは必要性というより、広々しているほうが気持ちよく感じる、感覚的な満足が得ることができるという面が強いわけです。

仕事はメタバース空間、遊びはメタバース空間、買い物はメタバース空間。

実際に自分が着る服より、メタバース空間のアバターに着せる服の方をたくさん持つようになったり、リアルの趣味の道具より、メタバース空間で遊ぶツールの方を多くそろえるようになったり。メタバース空間の土地を購入し、別荘を建てたり。

リアルな家には、収納すらもあまり多くは必要なく、最低限の衣食住が、快適かつ安心して確保できればよくなるのかもしれません。

実際には、360度リアルなバーチャル空間に没入することは、20年程度の技術革新では到底到達できず、SF物語です。

しかし、現代人がスマホに接している以上の時間をメタバース空間に接することになるのは、ほとんど確実だと思います。(もちろん、スマホ自体が、メタバース空間との接点となっていきます。むしろ、スマホの中もメタバース化していくでしょう。)
そして、スマホはいつでも携帯していましたが、メタバースの主となる接点は、プライベートな住居になる可能性が高いわけです。

メタバースにいる時間の快適性を上げることは、リアルな家づくりにおいてもより重要になるかもしれません。


前置きが長くなりましたが、そんな20年後の世界を想像しながら、今できるメタバース対応の家づくりを、自分の家を建てるとしたら、という視点で考えていこうというのがこの企画です。

一応、実際に自分の家を本当に建て替えるつもりで、リアル化できることを考えています。


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仕事

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映像と音

投影、画面、VRゴーグル

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