時節柄、暖房器具の話題が増えてきました。
弊社との打ち合わせでよく話題になる床暖房について、今回はお話ししましょう。
暖房器具を、室内に熱を供給する機械と考えた場合、最も効率が良いのはエアコンです。効率が良いということは、同じ1万円というランニングコストで、一番大量のカロリーを部屋に投入できるということです。
ガスファンヒーターやヒートポンプ式温水利用など、様々な暖房機器があり、それら同士でこっちのほうが効率が良いという競争はありますが、エアコンの高効率からすればそれ以外はすべてどんぐりの背比べというくらい圧倒的な違いがあります。
ところが、エアコンが暖房に適していると感じている方はあまり多くないようです。
最大の理由は、暖かな空気を天井付近の機器から吹き出すという形式にあります。
暖かな空気は部屋の天井付近を温めやすく、床付近は温めにくいため、床付近で生活する人間には、その温かさが届きにくいわけです。
そこで、床付近で生活する人間に最も近い位置で暖房を行う、床暖房の快適性に注目が上がります。
これは、2000年くらいまでの家づくりでは完全に正解でした。
そもそも建物の気密性も悪く、いくらエアコンが効率が良いといっても、エアコンから噴出された暖かな空気が、部屋を暖める前に多くが屋外に漏れてしまっていたような状況であり、実際の暖房能力には力不足が否めなかったのです。
そのような状況で、直接的に床を温める床暖房はとても良い暖房形式でした。
床暖房の弱点は、ランニングコストが大きなことでしたが、常時使用する東北より以北エリアなどではエネファームなども普及し、床暖房を行いながら発電することでラニングコストの回収するなど、様々な取り組みも行われています。
近年の建物では、豊川豊橋エリアで床暖房を設置した方の実際の使用率はとても減っているようです。1シーズン、1度も使わなかったという声もききます。これは、建物の性能が向上しエアコン暖房との相性が良くなってきたためです。
もちろん、階段と吹き抜けで家の空気が循環するようなレイアウトであれば、床暖房が有効なケースも残っています。また、ランニングコストを気にしない前提であれば、相変わらず快適な暖房形式として優位性があります。
しかし、一般的に日々のお財布が気になる我々庶民感覚からすると、床暖房をメインの暖房とするのは勇気が必要です。(^^;
萩森建設のお勧めする床暖房
建物の性能が上がった今、ベースの暖房器具はエアコン一択であると感じています。
エアコンを暖房器具のメインに位置づける場合に気を付けることは、エアコンから真下への暖房気流を妨げないことです。大きなエアコン1台よりも小さなエアコン2台を効率よく配置することも、暖房には特に有効です。
これにより、エアコン周辺の床は、床暖房のように温まりますし、その外側のエリアでも床からあたたたまっていくという温度分布が現れます。
そのうえで、間取りや家具の配置の都合などで完璧にはなりませんので、適宜必要な時に電気パネル式の床暖房で補ってあげることを推奨しています。
この場合の床暖房の形式になぜ電気パネル式を選ぶのかというと、次の3点があります。
1点目は、使わなくてもメンテナンスが不要だからです。温水式であれば、シーズン前後の温水の循環のメンテナンスが必要であったり、稼働させないと調子が悪くなってしまうというようなことがありますが、電気のパネル式ではそういったことがありません。暖冬のシーズンは一度も使わないで過ぎても、機械のメンテナンスが必要になることはありません。
2点目は、電熱線式に比べて電気代が圧倒的に安いことです。温水式にはランニングコストで負けるケースが多いですが、使用時間が短時間にとどまったり、温度をあまり上げないような使い方であれば、すぐに温まり微調整のできる電気パネル式に軍配が上がる場合もあります。
3点目は、導入コストが安いことです。
エイデンやヤマダ電機で、電気カーペットをたくさん買ってきて部屋に敷き詰めるよりも安いです。
以上の点から、近年のはぎもり建設の提供する床暖房は、ほとんどが電気パネル式になっています。
原則として、床暖房は不要だと思います。しかし、特別に寒い日や、エアコンで部屋があたたまるまでの補助に、念のため床暖房もあったほうが良いかもしれません。
逆説的ですが、作業をする際など、寒いのは嫌だけど部屋を暖めたくないといった場合にも床暖房は最適なのです。
そんな用途には電気パネル式が最適です。
繰り返しで申し訳ありませんが、それでも床暖房の快適さをメインの暖房に置きたいという方もいらっしゃるでしょう。
床暖房をメイン暖房として長期間動かすのであれば、熱源はヒートポンプ式(専用エコキュート)をお勧めします。最初は高いですけど、床暖房にしてはずいぶんランニングコストを抑えられます。
以上、萩森建設の近年の床暖房事情でした。
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