シンプルなデザインのむつかしさ


 シンプルなデザインはカッコいいですね。
要素も少なくて、簡単そうにも見えます。

 例えば外観 

 家を外から見た場合に、さまざな要素を見つけることができます。 

雨対策の要素:上から落ちてくる雨はもちろん、台風でヨコや下から拭きあげてくることも想定したり、地面に落ちた雨水が跳ね上がることを考えたり。一度受けた雨水をどうやって確実に流すか考えたり。
光対策の要素:
眺望対策の要素:

換気対策の要素:
電気を引き入れるための要素:

室外設置する設備:

防犯対策の要素:
汚れ防止対策の要素: 


 たくさんたくさん要素があります。
それぞれの要素には、それぞれに最適な形と部品と器具があります。 

 シンプルなデザインは、そのたくさんの必要な要素を、少ないデザイン要素にまとめあげる必要があります。 その際に多く使われる手法は、シンプルなデザイン要素でその他の要素を隠すというものです。

 必要な要素に、さらに要素を足すことによって成り立つシンプルなデザイン。 

さて、これは本当のシンプルと呼べるのでしょうか? 禅問答みたいですね。 私は、もちろん、シンプルなデザインの家とは呼べると思います。
しかし、建物において、シンプルな家というのは、シンプルなデザインで覆い隠した家のことではなく、家に求める要素を丁寧に吟味して、まとめられるものはまとめて一つの要素にして、減らせるものは減らし、減らせないものは一番素直な形で残す。そういった普通の家が、一番シンプルなんだろうな。と思います。 

 ただ、シンプルな家が良いか、シンプルなデザインの家が良いか、それとも複雑な緻密性を感じるのが良いのかは、ケースバイケースです。 

 どの家も、芯が通っていれば、それを気に入って住まう人にとって素晴らしい家になることは間違いありません。


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